2022年も終焉が目前である。世界情勢が悪化の一途をたどり続けた2022年であったが、その中でも(幸いなことに、と言っていいかはわからないが)古生物界隈は大盛り上がりであった。1月こそ目立った動きは少なかったものの、2月にフクイヴェナトルの再記載が行われてからはほぼ毎月のように大きなニュースが舞い込んでいた(気がする)。これ以降堰を切ったのように記載されたマイプやメラクセスなどは当ブログでも紹介させていただいた。もちろん当ブログで取り上げられない存在が多かったのは言うまでもない。ペンタケラトプスと認識されていた角竜がビスティケラトプスとして新属記載されたり、エオティラヌスのモノグラフが出版されたりと、既知標本の見直しや再検討も大盛り上がりであった。そういえば、日本産恐竜記念すべき10種目となったパラリテリジノサウルスの記載も本年である。恐竜に限らず古生物界隈全体も盛り上がり続けており、古生代から新生代まで新しい景色が広がり続けることになった。
翻ってわが身を鑑みれば、まあ当ブログの開設がとりあえずここに書くべき内容であろう。もともと当ブログは恐竜やその他古生物について筆者自身が考えていることを書き留める掃きだめのような運用を想定していたわけだが、気が付けば新属新種の記載論文紹介が主となってしまい、筆者としても予想外の運用になっていたわけだ。閲覧数についてはあまり(あまり、である。)気にしない方向性でいたのだが、幸いなことに開設から2か月程度で発見していただき、現在もなお読者はいらっしゃるというありがたい現状となっている。当ブログを見つけて読んでいただいた読者の方にはこの場で感謝を申し上げます。
当ブログ開設時にはいろんな企画を考えていた。少しだけ列挙すると
・20年前の図鑑と現在の図鑑を見比べて昔を懐かしむ回
・古生物関係の書籍紹介
・個人的な博物館、恐竜骨格の見方
・地質学の紹介
などである。これらの企画も来年以降にぼちぼち実施していければなとは考えている。とはいえ新属新種の記載論文の紹介もしたいところであり、個人的に取り上げたい古生物は山のようにいるし(ユウティラヌスとかフタバスズキリュウとか)、個人的にこれはと思うような論文も紹介していきたいところである。
さて、来年の古生物界隈はどうなるだろうか。新属新種も気になるところだが、スピノサウルスのように復元が大きく変わるような発見もあるかもしれない。個人的に注目しているシレサウルス科周りについてもどういった動きがあるかもみていきたい。そういえば、来年はついに国立科学博物館で『恐竜博2023』が開催される。福井県立恐竜博物館のリニューアルは夏である。こちらも来館した暁にはレポを出してみたい。
来年も古生物学には目が離せない。瞬きの時間すら惜しくなる一年になるだろう。そんなわけで、4月から始まった当ブログにお付き合いいただいた読者の皆様に改めて感謝を申し上げます。
読者の皆様が良き古生物学ライフを送れることを願って
古生物学のさらなる発展と朗報を願って
2022年 コサメ