古生物・恐竜 妄想雑記

恐竜好きないち素人による妄想語り置き場

2022-01-01から1年間の記事一覧

2022年を振り返る

2022年も終焉が目前である。世界情勢が悪化の一途をたどり続けた2022年であったが、その中でも(幸いなことに、と言っていいかはわからないが)古生物界隈は大盛り上がりであった。1月こそ目立った動きは少なかったものの、2月にフクイヴェナトルの再記載…

『新恐竜』レビュー~これって予言書だっけ~

タイトルからして紛らわしいことこの上ないかもしれないが、今回のテーマは国民的アニメの映画…ではなく思弁進化を書いた一冊として界隈では有名な本の紹介である。 思弁進化についてはググっていただければなんとなくわかるとは思うのだが、要するに生物進…

救われた三頭鷲

いきなり本題に突入して申し訳ないのだが、下の写真に見覚えはないだろうか?見覚えがあるという方、察しの通りの話を展開していく予定であるため、この時点でブラウザバックをしていただいて構わない。 『恐竜博2019』で展示された当時未記載のオヴィラプト…

オーストラリアの……何者?

レエリナサウラやアウストラロヴェナトルなどの恐竜を産出してきたオーストラリア大陸だが、クンバラサウルスのような例外を除いては部分的な化石ばかりが産出していることもまた事実である。先に例に上げたレエリナサウラは頭骨とその他部分化石が産出した…

『恐竜博2023』をgdgd妄想③

『恐竜博2023』の妄想記事も3つ目である。初回は展示内容を軽く想像しただけで終了させた。第2回では過去4回の恐竜博でどのような展示が行われたが、それらの前例をもとにどのような展示が予想されるかという内容に終始させたが、いよいよ本番である。今回は…

『恐竜博2023』をgdgd妄想②

公式発表直後にこんな記事を書いたわけだが、当ブログの閲覧ランキングの栄えある1位がぶっちぎりでこれになってしまったわけである。ズールとかシレサウルス科とか、他に読んでいただきたい記事もあるにはあるがそれはそれであり、当ブログに来ていただいた…

アパラチアの鳥モドキたち

当ブログではまったくもって解説するチャンスがないが、白亜紀後期の北アメリカを語るうえで欠かせない用語が存在する。「西部内陸海路(Western Interior Seaway)」「ララミディア」、そして今回の話の中心となる「アパラチア」である。 白亜紀は地球温暖…

生き残りの盾

現生する近縁の仲間は少ないが、化石ではよく知られている、あるいは長い時代を経てもあまり形態的に変化していないなど、祖先の特徴を保ち続け現在も生存している生物を総称して「生きた化石」という。 以上は『地球生物学(池谷仙之・北里洋〔著〕)』のp5…

「シレサウルス科」、何処にあり

だれしも、何か新しいことを始める時には何かしらのきっかけが存在するというのがお約束であろう。かく言う筆者も、当ブログを始めるにあたってはきっかけとなったできごと(と言うか論文)がいくつかあるわけだ。一つ目は「ティラノサウルス属が3種に分け…

Sherman、あるいは脛を砕くもの

気が付けば10月である。恐竜を含む古生物界隈はこの間も大盛り上がりな案件がいくつも湧き上がっていたが、それはそうとして書きたいことが多すぎて泣きたくなるブログ運営である。 8月に開催が告知された『恐竜博2023』で、真っ先に登場した恐竜が北アメリ…

大型ドロマエオサウルス類、次は何処

以前にこのような記事を書いたわけだが、あれはあくまで前振りである。投稿からだいぶ間ができてしまったが、続きを書いていこう。 ユタラプトルの記載から28年が経過したわけで、この期間にユタラプトル級の大型ドロマエオサウルス類が3属追加で記載され、…

『恐竜博2023』をgdgd妄想①

ノリと勢いで手を上げた合同誌の原稿がさっぱり進んでおらず、そういう意味においてはブログに顔を出すべきでないことは百も承知である(合同誌についてはここでは言及しない。忘れたときに語ることになるだろう)。しかし、恐竜関係のニュースが飛び込んで…

大型ドロマエオサウルス類の顔ぶれ

当ブログが始まって約3ヶ月経つが、恐竜に関する記事はいまだに獣脚類しかないのが実情である。これは無論、筆者の趣味嗜好興味関心が獣脚類に偏っているからである(竜脚類や鳥脚類に興味がないわけではないが、両名とも謎の近寄りがたさを感じるのだ)。特…

南米に住む巨大な龍

しばらく更新をしていない間にもう7月である。この間に書籍3冊を追加購入したことにより、いろいろとやりたいネタは頭の中に降ってわいていたわけである。しかしながら、久しぶりのデカい話を前にして予定は狂うことになった。これは(すでに恐竜好きの方々…

『新・恐竜骨格図集』レビュー

ブログが半月にわたって更新されていなかったのは、リアルで資格試験勉強中だったり、ゲームのイベントが絶賛開催中でブログを更新する暇がなかったというのが真相である。決してネタ切れを起こしたということはないので安心していただきたい(ティミムスと…

日本産ネームド恐竜まとめ(2022年5月版)

昭和の香りがまだ残る前期平成紀*1に生まれた方々は、日本の恐竜研究が大きく変わっていく様子をリアルタイムで体感した世代かと思われる。日本で恐竜化石は見つからない、と言われた時代は遠くなったが、やはり日本では海外のような一体分の全身骨格は産出…

「福井県立恐竜博物館」レポート

そんなわけでこの5月連休のスキに福井県、もとい勝山市にある「福井県立恐竜博物館(FPDM)」に行ってきた(連休中日の平日なら人は少なかろうともくろんだが、そんなことはなかった。どうやら地元小学校の遠足コースになっているようだ)。4年ぶりのFPDMを…

マーストリヒチアンに吹く寒風

メガラプトル類(メガラプトラ)と言えば、日本産恐竜第一号のフクイラプトル(Fukuiraptor kitadaniensis)や、オーストラリアのアウストラロヴェナトル(Australovenator wintonensis)、模式属のメガラプトル(Megaraptor namunhuaiquii)などが所属する…

中川に流れ着いた者

4年ぶりの福井観光旅行(もちろん、感染対策は万全にした。おかげさまで夕食は毎日コンビニのパックご飯&カップ麺であった)から帰って来て早々、こんな話が入ってきた。前月末に記載された某メガラプトラとか、FPDMのレポートとか、ネタはいろいろあるの…

来たる6月に備えて

早いもので4月の末である。桜の季節は秒で過ぎ去り、新緑の季節に片足を突っ込みかけている今日この頃、恐竜関連の書籍情報が2週連続で舞い込んできた。6月17日発売の『新・恐竜骨格図集』と6月23日発売の『学研の図鑑LIVE 恐竜 新版』の二つだ。どちらも…

疾走者の素顔

北アフリカ、モロッコのケムケム層といえば、2014年以降に何かと話題を提供し続けているスピノサウルス(Spinosaurus aegyptiacus)の産出層である。名のついた恐竜としてはカルカロドントサウルス(Carcharodontosaurusu saharicus)もケムケム累層産であり、そ…

北谷の狩人、後に刈り取るもの

2022年2月4日、日本古生物学会第171回例会の開催当日のことである。学会員でもない私(例会の存在も知らなかった)はその日もゲームをやりつつボケーっとTwitterのタイムラインを見ていると、何やら恐竜界隈がざわついていた。 「フクイヴェナトルの分類が変…

当ブログについての概要・注意事項

初めての方は初めまして 各種SNS等で交流がある方、いつもお世話になっています。 当ブログ『古生物・恐竜 妄想雑記』は筆者(コサメ)が抱えている恐竜やその他古生物に対する140字に収まらない妄想を雑多に書き留めたものです。 各種研究発表の(個人的)…